子どもにも分かるようにモーツァルトの魅力を伝えようという音楽会「モーツァルトって知ってる?」が二十六日、大雪クリスタルホール音楽堂で開かれた。

 同ホールが主催する公募型の公演で、市民から寄せられたアイデアを、ホールと提案者が協働で実施する。出演者が旭川市民または旭川出身であることなど一定の要件がある。今年度は四件の応募があり、うち二件を上演した。

 企画提案者は、道教育大旭川校准教授の木村貴紀さん。モーツァルトが生きた時代の音楽会では、どんな演奏や舞踊が行われていたのかという視点でプログラムを構成した。木村さんの指揮で旭川フィルハーモニー管弦楽団が演奏。一度は耳にしたことのあるモーツァルト作品の数々を聞かせた。旭川在住のソプラノ歌手、鶴田玲子さんも出演し、マイクを使わずに美声を響かせた。

 当日は子どもによる指揮体験の時間が設けられ、三人の子どもが十一人の弦楽奏者に向かって代わる代わるタクトを振った。そのうちの一人、川渕笑奈ちゃん(5)は、指揮台から降りた後にタクトをプレゼントされ、満面の笑み。お母さんの川渕りえさん(39)は「どうしてもやりたいと言うので、あててもらおうと最前列の真ん中に座りました」。また一緒に来場したお姉ちゃんの那々花ちゃん(9)は、「妹が足を踏み鳴らしたりして落ち着かないので、うまくできるか心配でした」と話していた。