市場としてのロシア・サハリンを知るセミナーが一月二十八日、旭川グランドホテルで開かれた。旭川市や周辺自治体などで構成する「あさひかわ海外経済交流推進委員会」(委員長=西川将人市長)の主催。

 講師は、ロシア人のグレーブ・ジュラフスキーさん。一九六八年、サンクトペテルブルグ(旧レニングラード)の生まれ。大学在学中に北大に留学し、卒業後は道新情報研究所などを経て〇九年、株式会社GIプランを設立。道内の企業とロシア極東を結ぶ貿易などに携わっている。

 サハリンは、原油と天然ガスのプロジェクトによる好景気で、ロシア国内でも収入の高い地域となっている。自動車の九割以上が日本車であるほか、人気レジャーの釣りやアウトドア用品をはじめ、カメラ、衣類なども日本製が好まれる。グレーブさんは現地で行われた道産品フェアで、道産米が現地産の六倍で売れたことなどを紹介した。また、主催者が食品の輸出に関するガイドブック(北海道発行)を参加者に配布した。

 セミナーでは野菜など農産物の輸出についても触れた。ロシアでは自家菜園で無農薬野菜を作る人が多いため、要求される品質が高い。また果物は「子どもに食べさせたい」という需要が高いものの、寒冷地で栽培しづらいため品数が少ない。グレーブさんは「果物を輸出すれば好評を得るだろう」と話した。

 サハリンでは経済成長により住宅を購入する人が増えたが、まだ家具などのインテリアが不足しているという。「サハリンの人たちは自然の素材が好き。旭川の木製家具は、小物も含めて売れると思う」との見方を示し、また「自家用車の普及にともなってアウトドア用品の人気が高まっている。『ホーマックのような店が出来たら』と、サハリンで何十回も聞いた」と話していた。