東日本大震災の被災地に入ってボランティア活動に取り組んだ学生たちによる「学びの発表会」が九日、フィール旭川内の旭川シニア大学でおこなわれた。旭川市内の四大学一短大一高専でつくる旭川ウエルビーイング・コンソーシアムの主催。
発表会は昨年に続き二回目。今回は旭川大学のボランティアサークル「CROSS」と「円陣」、日本赤十字北海道看護大学災害beatS研究会、北海学園大学岩崎・米坂ゼミナール、北海道教育大学旭川校の五団体、約三十人が発表した。
震災後、被災地を三回訪れた旭川大学の「CROSS」は、一回ごとに目的を持ってボランティアに取り組んだ。一回目は被災地の現状を知ることを課題とした。二回目は仮設住宅に住む人たちに聞き取り調査をおこない、生活実態を分析し、課題と支援策をあげた。リーダーの保健福祉学部コミュニティ福祉学科二年生の櫻田直樹さんは「居場所づくりや生きがいづくりが必要で、仮設住民同士のつながりが求められます。また衣食住の生活のためと生きがいのための仕事起こしが急がれます」と話した。
三回目は、交流を目的とした餅つき会を開催した。最初は参加意欲を示さなかった住民も、餅つきを通して笑顔が見られるようになった。サブリーダーの経済学部経済学科四年生の佐藤允さんは「コミュニティの輪で、支え合う関係を作るきっかけが重要だと感じた。コミュニケーション作りのツールである一芸を身につけようと、今練習している」と課題をあげた。
参加者らは、今後も被災地でのボランティア活動を継続することを確認して、約二時間半に及ぶ発表会を終えた。