「国際女性デー」の八日、旭川集会が市民文化会館で開かれ、元北海道電力社員の水島能裕さん(66)が脱原発と再生エネルギーをテーマに講演した。同実行委員会(帰山育子委員長=新日本婦人の会旭川支部長)の主催。
水島さんは一九六九年(昭和四十四年)に北海道電力に入社し、旭川支店に配属された。在職中から原発に反対していた。〇五年(平成十七年)に北電を定年退職。一〇年(同二十二年)には北電興業を退職し、昨年から原発ゼロをめざす旭川連絡会の代表幹事などを務めている。
水島さんはまず、日本の各電力会社の発電量に原子力が占める割合(〇九年時点)について、資料を配布して示した。その上で「五〇%を超えている関西電力、四国電力、九州電力が値上げをし、逆に火力発電の割合が大きく原発割合の少ない中部(一二・三%)、中国(二〇・九%)は値上げをしない。このことから、原発があれば電気料金が安いというのは嘘だと分かる。電気料金は水力の割合が高い北陸電力(原発割合三〇・九%)が最も安い」と話した。
また、北海道はオール電化住宅の普及で最大電力の出る時間帯が深夜三時頃であることについて説明した。「原発は常に一定の出力しか出せず、夜中に発電した電力はただ放電されてしまう。だから四分の一、五分の一という原価割れの値段で深夜に売っているが、いま新築の家の五二%がオール電化となり、売り過ぎの状態になった。北電は昨年九月二十日に深夜電力の新規加入を廃止したが、ほとんど知られていない」。
節電要請については、北電が想定している発電所のトラブルが過大であることを示して、「私は最初から電力が足りなくなるなどと思わなかった」「大飯原発を再稼働した関西電力もHP上で、再稼働しなかったとしても足りたと言っている。原発事故から二シーズンが過ぎ、『電気が足りなくなる』という言葉は嘘だとはっきりした」などと話した。
また原発をめぐる嘘の情報について「『原発を止めると電力が足りなくなり、人や産業が海外移転してしまう』と言った人がいたが、この二年の間にそんな話を聞きましたか? ベトナムや中国の方がもっと電気が足りていない」と話していた。