被災地で暮らす人々の笑顔にカメラを向け続けている、小山(おやま)一芳さん(55)の写真展「マゲナイゾ!…と笑顔で生きる人たち」が東川文化ギャラリー(東町一)で開催中だ。

 小山さんは岩手県出身。東京で広告写真を中心に仕事をしているカメラマンだ。震災直後、自身が岩手の出身であることから「人ごとではない」と被災地を訪れ、その後も岩手、宮城、福島を何度も訪れて、そこで暮らす人々の笑顔を撮っている。

 「わすれないぞ作戦」と題し、ホームページ「マゲナイゾ」を開設して全国に情報を発信しながら、津波で思い出の写真を失った被災地の人々に写真を提供する活動を続けている。

 「最初は、被災後すぐに写真を撮るなんて失礼かなあなんて思ったんだ。でも俺が話しかけるとすぐ笑顔で『撮れ撮れ』って言うんだよ」と小山さんは話す。

 がれきの中で笑う子どもや、線量計の置かれた学校のグラウンドで笑う人々、失った自宅の前で少し恥ずかしそうな笑みを浮かべる中年の夫婦、被写体の人たちはみな満面の笑みだ。「ズーズー弁(東北訛り)で明るく話しかけると、もうみんな親戚や家族みたいに仲良くなれる。東北の田舎ならではの人懐っこさでね」と小山さんは笑う。

 これまで全国を巡回し写真展を開いてきた。道内では今展が初となる。知人の三好プロフォート(亀吉一ノ一)代表の三好典仁さんが同ギャラリーでの展示を勧めた。もっと多くの展示を行いたいという小山さんは現在、展示場所の情報提供を求めている。「今回用意したような大きなパネルだけでなく、小さな写真を並べていただいて、被災地を伝える活動になればと思っています」と小山さんは話している。

 小山さんの活動や写真はホームページ( http://magenaizo.jp/)で閲覧が可能。展示などの情報提供は小山さん事務所へ電話・ファクス(TEL・FAX03―5420―5807)またはメール(kurumazaka.k@docomo.ne.jp)で。

 二十八日(木)まで。開館時間は午前十時から午後五時半。東川町民百円、町外民二百円。中学生以下無料。展示に関する問い合せは同ギャラリー(TEL82―4700)へ。