「ゴルゴ13」で外交を勉強しているという副総理・財務大臣らしい斬新な発想だと大いに感心した。二十五日付の朝日新聞政治面に載った「年一度も病院行かない70歳以上に10万円」の見出しの囲み記事である。
麻生太郎副総理兼財務相は東京都内での参院議員のパーティーであいさつし、政府支出が膨らむ医療費に関して「(健康維持に)努力している人にインセンティブ(動機づけ)を与えてもらいたい」と指摘し、医療費削減策として「70歳以上で、年に一度も病院に通わなかった人には10万円あげる」とのアイデアを披露した。麻生氏は「10万円あげます、となったら『ちょっと病院行こうかな』という人が行かない。70歳以上の医療費は百数十万円かかっている。カネのかからない方法で政府支出も抑えられる」と語った。
さすが大富豪の考えることは違う。貧乏人は、多少具合が悪くても病院に行って診てもらわずに、我慢して十万円もらう方を選ぶのだと思い込んでいらっしゃる。というか、そう期待されていらっしゃる。そうだ、地獄の沙汰も金次第なのだ。朝鮮半島から強制連行した人たちの労働と犠牲によって巨万の富を蓄えた血脈が言わせるのだ。貧乏人などというものは、金をちらつかせればコロリと転ぶ、と。
そして、さすがは、この方を副総理に据えた安倍晋三総理大臣である。麻生副総理を含む多数の閣僚、国会議員たちが相次いで靖国神社の春の例大祭に参拝したことに韓国や中国が反発を強めていることに対して、「我が閣僚は、どんな脅かしにも屈しない」と発言したと報道された。ソーリ、奇異で危険なほど高い内閣支持率に高揚して、調子に乗り過ぎてはいませんか。