第三十八回中原悌二郎賞に植松奎二(けいじ)氏(66)の作品「截接(さいせつ)―軸・経度・緯度」が選ばれた。十八日、市教育委員会が発表した。

 同賞は、旭川ゆかりの彫刻家・中原悌二郎にちなみ、旭川市が一九七〇年(昭和四十五年)に創設した。二〇〇三年(平成十五年)から、隔年開催になっている。

 最近二カ年間に国内で発表された作家の彫刻と立体作品が対象。今回は市彫刻美術館が資料収集した八百十六点の作品の中から五人の選考委員が選んだ。

 受賞作は角材と布、ジャッキを使用した、高さ四三〇㌢×幅二七二・五㌢×奥行三八三㌢のインスタレーションの作品。植松氏は受賞作について「物と物との間にある重力、引力といった見えない普遍的な力への関心や、根源的なるものと宇宙的なる力への素朴な疑問」が制作の根源になった話した。植松氏は第二十八回の同賞で優秀賞を受賞している。

 旭川市は受賞作品を購入しているが、この作品は空間による規制があることから、同氏の別の作品を購入することになる。受賞式は十月六日、市内のホテルでおこなわれる。