切り絵作家、伊藤長治さん(79)の個展が中央図書館(常磐公園内)で行われている。

 伊藤さんは元中学校の美術教諭。主に上川管内で教壇に立ち、九五年(平成七年)に鷹栖中で定年退職した。切り絵は現役時代から始め、すでに三十年以上になる。

 切り絵を始めた当初は、ミュシャやクリムト、ボッティチェリなどの名画を下絵に、モノクロのコピー的作品を制作していた。しかし元々グラフィックデザインが好きだったこともあって、次第に独自色が強まっていった。

 旭川の俳句結社が発行する月刊「樹氷」の表紙絵を九四年(平成六年)から十四年間にわたって提供。北海道新聞にも同年四月から一年間連載した。市内五ノ七の小路「ふらりーと」の行灯デザインを手がけたことも。昨年六月には自作五百二十五点を収録した切り絵集を自費出版している。

 今展では、デフォルメした女性と花を組み合わせた近作「愛の花言葉シリーズ」をはじめ、同じく近作で唱歌を題材にした「童謡唱歌シリーズ」、また旭橋や買物公園の彫刻をモチーフにした「旭川散策シリーズ」の作品を出展している。

 三十日(木)まで(月曜休館。十四日は振替休日)。問い合わせは中央図書館(℡22―4174)へ。