映画「X年後」の上映会が二十六日(土)、シアターカンダ(三ノ八、神田館三階)で行われます。放射能被害の恐ろしさと同時に、3・11以降の私たち日本人に国とはなにかを突きつけるドキュメンタリーです。

 一九五四年(昭和二十九年)、米国が南太平洋のビキニ環礁で行った水爆実験で日本のマグロ漁船・第五福龍丸が被ばく、半年後に漁船員一人が死亡した。同じ海では、ほかにも多くの日本漁船が操業していた。しかし、第五福龍丸以外の被ばくについて報じられることはなく、歴史から消し去られた。

 一九八五年、高知県の高校教師、山下正寿さんが教え子たちとともに、ビキニ環礁で被ばくした漁船員たちの聞き取り調査を始めた。高知県の沿岸部で三年あまりに渡って聞き取りを続けた結果、乗組員二百四十一人の消息が分かった。生存していれば五十~六十代のこの時期に、三分の一がすでに亡くなっていた。

 南海放送(愛媛県松山市)は、この「もうひとつのビキニ事件」を取り上げてドキュメンタリー番組を制作。「早稲田ジャーナリズム大賞」など数々の賞を受賞しました。二〇一二年には、「NNNドキュメント」(日本テレビ系列)で「放射線を浴びたX年後」と題して全国放送され反響を呼びました。今回上映するのは、新たな映像を加えて映画化された作品です。

 上映は、午後三時、同五時、同七時の三回。前売りチケットは、大人千円(当日千二百円)、大学生・障がい者五百円。高校生以下無料。こども冨貴堂(七条買物公園、℡25―3169)、きっちんらいる(鷹栖町十六線八号、℡87―5046)、あさひかわ新聞(八ノ六、℡27―1577)で扱っています。