シンガポールのデザイナーや家具業界、政府関係者など十八人でつくる視察団が十四日から十七日まで、旭川と近郊の家具メーカーを視察した。
四日間でカンディハウスやコサイン、匠工芸などの家具メーカー六社を視察、旭川家具センターや市工芸センター、市役所などを訪問した。
日本のものづくりを視察し、コラボレーションやビジネスパートナーシップを結ぶ可能性を求める目的。
十五日、コサイン(星幸一社長、永山北三ノ六)を訪れた視察団は、真剣な表情で星社長の説明に聞き入った。工場では、機械や職人について質問。「個性的で見たことのない製品です」「職人たちがリラックスし、熱心に働いているのに感心しました」と旭川のものづくりを讃える声が聞かれた。
十六日には市役所を表敬訪問した。視察団代表のマーク・ヤング氏は「シンガポールはとても小さな国で、経済を貿易に頼っています。また産業のインフラは整っていません。旭川には伝統と優れた技術があります。私たちの持つ貿易や流通の能力、またデザインでアジアや世界に旭川家具を広めるためのコラボレーションをしましょう」と呼びかけた。表憲章副市長は「個人所得の多いシンガポールなら、旭川の高品質の家具は受け入れられる地盤があると思います。気持ちと環境を整え、ぜひともコラボレーションしましょう」と笑顔で答えた。
案内役を務めた旭川家具工業協同組合の杉本啓維専務理事は、「日本製品はシンガポールでも非常に信頼度が高いと聞きます。政府機関が関係して来旭するのは今回が初めて。熱心に聞き入ったり、ビジネスチャンスを求めて積極的に質問するのがとても印象的でした」と話した。
視察団は十七日に旭川を離れ、家具産地の福岡県大川市や有田焼で有名な佐賀県有田町などを視察し、二十二日に帰国するという。