外国人が旭川を観光する際の魅力と課題について、市内と周辺町に在住する外国人に聞くパネルディスカッションが二十四日、フィール七階の旭川市国際交流センターで開かれた。

 イギリス、ラトビア、ルーマニア、カナダ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、ベトナム、中国、韓国、台湾から来ている十二人が参加。これまでの滞在経験から、「どのようにすれば、もっと友達や家族を呼びたくなるようなまちになるか」をテーマに、日本語で意見を出し合った。

 もっとも多かった意見が、飲食店のメニューについて。欧米からの参加者は「漢字だとどんな料理なのか全くわからない」。しかし漢字なら大体の想像がつく中国からの留学生も、「外来語がカタカナで書いてあると、私たちにも何の料理か分からない」と話した。「何カ国語も表示するのは難しいだろうから、料理の写真を載せてくれるとイメージがつかめて分かりやすい」との意見にうなづく参加者が多かった。「外国語のメニューを用意していることが、店外から分からないと意味がない」という指摘もあった。

 飲食店のメニュー以外の表記については、「登山コースに『熊に注意』と漢字で書いてあっても、外国人には分からない。危険を知らせる看板などには英語、またはイラストを併記して欲しい」という声が聞かれた。

 市内の路線バスの難しさを指摘する声も多かった。「乗り場にも車内にも、また路線図にも日本語以外の表記がない。整理券を取ることも、支払いの方法も分からず、次の停車場の情報もアナウンス以外にないのは、外国人の観光客にとって非常に不便」。

 中国人留学生の顔士娜さん(道教育大旭川校大学院生)は「中国では、北海道は東京、大阪の次に有名」と話したが、欧米では事情が違うことも分かった。

 自転車が趣味というカナダ人のブライアン・バークハウスさん(旭川北高の外国語指導助手)は、「こちらに来るまで北海道のことは全く知らなかった。しかし来てみて初めて自転車を楽しむ環境として世界有数の場所だと分かった。欧米では全く知られていないので、情報を発信すれば必ず愛好家がたくさん来るはず」と話した。

 その情報発信については、イギリスのカール・ウィルコックさん(東川町ロースターコースター店主)が「日本のグーグルにアップするだけでは、欧米で検索してもヒットしずらい。グーグルUKや米グーグルでもアップを」とアドバイスした。

 この集いは、旭川東高の小野寺徹教諭が中心となってコーディネートした。今年二月に続く二回目の開催。会場には約八十人が集まり、旭川と近郊で暮らす外国人たちの体験談やアイデアに熱心に耳を傾けた。