旭川商業高校の商業部の部員らが九日、研究活動の一環として期間限定の店舗「図書カフェ」をオープンした。
同部では、毎年テーマを決めて調査研究し、実学の中から商業を学ぼうと活動している。今年のテーマを決めるにあたり、部員らは買物公園で市の活性化についてアンケート調査を行った。空き店舗問題、人間関係の希薄さなどがあげられ、それをもとにカフェの構想が浮かんだという。
近年、大手書店にはカフェを併設するところが多く、また、公立図書館では様々な地域交流イベントが行われている。カフェによる人の交流と図書を通じての知の領域の充実などが、今回の調査研究の柱だ。
カフェの店舗は、喫茶店「舞・ふれんど」(末広五ノ一)が二階のスペースを無償で提供。店主の伊勢國治さん(68)とママの志津子さん(56)が、メニューや接客の仕方をアドバイスした。
旭商五十期卒のOGでもある志津子さんは「熱心に接客の指導を受けるなど、皆いい子たちばかりです。仕事ぶりも板に付き、なれたものですよ」と話した。
この高校生の実習店舗には、髙砂酒造とお菓子のエチュードが協賛し、メニューの一つ、米麹のジェラート「す米る麹くん(すまいるこうじくん)」(三百円)を提供した。
研究店舗「図書カフェ」は二十九日(日)まで開店する。部員らは平日は午後四時半から七時まで、土日は午前十時から午後五時まで、交代で“出勤”して店を切り盛りする。
店内には父兄らから寄贈された本や中央図書館のリサイクル図書など千冊以上がジャンルごとに分けられて棚に並ぶ。また、旭川ゆかりの三浦綾子、井上靖、あべ弘士の本は、手製の年表を掲示した特設コーナーが設けられている。
部長の今北花怜さん(三年、17)は「接客サービスの順番を最初は間違ったりと、ドキドキのスタートでしたがとても楽しいです。地域の出会いの場として多くの人たちに利用してもらいたいです」と笑顔で話していた。