南富良野町字幾寅で「けん三(さん)のことば館クリニック」を開業する下田憲さんを講師に迎えて、旭川いのちの電話の公開講座が三十一日(土)午後二時半から、市民文化会館(七ノ九)小ホールで行われます。

下田さんは一九四七年(昭和二十二年)埼玉県生まれ。北大医学部を卒業後、離島や過疎地の公立病院に勤務し、九六年(平成八年)に医師がいなくなった南富良野町の町立診療所に赴任。この間、東洋医学と心療内科を双軸とする独自の診療形態を確立した。その傍ら、墨書で言霊をしたため始め、二〇〇〇年には常設展示館「けん三のことば館」をオープン、四年後、そのままクリニックに改修して独立した。著書に、「地域をつむぐ医の心―往復書簡でつづる農村医療」(共著・あけび書房、一九九八年)、「ちゃんとこうして生かされている」(文芸社、二〇〇〇年)など。

下田さんは、東洋医学と西洋医学を併用し、「安上がりの医療」を目指す。毎日四十人ほどの患者に鍼(はり)治療を無償で行う。効果があり副作用がない。そして、カウンセリング。「心の傷は薬では治せない。カウンセリングで治す」と言う現代の“赤ひげ先生”が、「生きよ生きよのこえがきこえる」と題して話します。

旭川いのちの電話(TEL23―4343)は一九八〇年(昭和五十五年)にスタート。自殺予防を主な目的に、さまざまな不安や悩みを打ち明けることができずに一人ぼっちで悩んでいる人の“心の隣人”になろうと、ボランティア相談員が二十四時間、年中無休で相談に応じています。

厚生労働省自殺予防対策補助事業として開く公開講座で、入場は無料です。直接、会場にお出かけください。開場は午後二時です。問い合わせは、いのちの電話事務局(TEL25―2143)へ。