「広島原爆の日」の六日、ウタンネ合唱団のコンサートがアッシュアトリウム(一条買物公園)で開かれた。

 同日まで展示していた「原爆の絵展」の開催に合わせ、「青い空は」「長崎の鐘」「原爆を許すまじ」など平和を訴える五曲を合唱し、約五十人の来場者が歌声に耳を傾けた。

 ウタンネ合唱団は、〇六年に旭川・上川管内在住の退職教職員らで結成され、団員は二十四人。「ウタンネ」はアイヌ語で「仲間」の意味だ。「原爆の絵展」で合唱するのは、今年で五回目。

 加葉田東尚(かばたはるひさ)代表(84)は、「退職した教育者の寄り所として結成されましたが、我々は戦後、平和とは何かを考えながら教育してきた世代です。こういったイベントには今後も積極的に出て、私たちの考えや願いを聞いていただきたい」と話した。

紙芝居「瞳の中の子どもたち」上演

コンサートの後、「長崎から伝える平和の紙芝居コンクール」の最高賞に選ばれた「瞳の中の子どもたち」が上演された。

 この作品は小学校の教師だった故・弓井一子さんの手記をまとめ、長崎市の会社員・田島秀彦さんが二〇一〇年に紙芝居にした作品。弓井さんは、長崎原爆投下時、防空壕に逃げ込み、かすり傷程度の負傷で助かったが、多くの教え子を失った。

 出演したのは、高台小の読み聞かせボランティアの二人と学校司書の大畑正恵さん。今年で二回目だ。大畑さんは「三年前に長崎を訪れ、資料や被爆者に会う機会があったのがきっかけで、学校で紙芝居を上演してきました。子どもたちだけでなく、一般の人たちにも原爆や平和について知っていただきたいので、要望に応じて今後も続けていきたいです」と話した。

 紙芝居の上演の依頼や問い合わせは、大畑さん(TEL080―1869―7115)まで。