層雲閣グランドホテル(上川町層雲峡温泉)創業者の荒井初一さんの名前を冠した酒「初一」が髙砂酒造(宮下十七)で醸造され、一日から層雲閣グランドホテルで販売を始めた。

 荒井さんは一八九四年(明治二十七年)に荒井商店(現在の荒井建設・四条西ノ二)を創業。一九〇九年(明治四十二年)には市内で荒井醸造所を経営し、酒造業にも力をいれた。

 また、一九二四年(大正十三年)に私費で双雲別(現在の清川)から層雲峡温泉まで約十二㌔㍍の道路を開削、層雲閣グランドホテルを創業したことから“層雲峡の父”と呼ばれる。

 今回のプロジェクトは、同ホテルの創業百年を前に、もう一度創業者の思いを形にしたいという気運が高まり実現した。髙砂酒造の協力の下、ホテル従業員約六十人が田植え・稲刈り・仕込みを行い完成したのが純米酒「初一」だ。

 同ホテルの池田義則運営本部長は、「層雲閣にしかない酒を造りたいと社員が田植えから始めた新しい試みです。創業者が力を入れていた酒造業への思いを、社員一同で共感できたと思います。お酒は香りも良く、口当たりも滑らかで、非常に美味しくできました」と話している。

 純米酒「初一」は、七百二十㍉㍑二千二百円(税別)。層雲閣グランドホテルのみの限定販売。問い合せは、同ホテル(TEL01658―5―3111)まで。