旭山動物園内にある「循環型農園」で九月三十日、収穫祭が行われた。

 この農園は二〇一〇年(平成二十二年)、北海道コカ・コーラボトリング(本社・札幌)と旭山動物園が中心となり、企業や学校などの協力団体が集まって開墾した。高校生を中心に、子どもたちがコメや野菜を育て、収穫物を動物の餌にする。動物の排泄物や作物の残滓(ざんし)から堆肥を作り、それでまた野菜を作るという循環を学ぶ。

 今年五月の農園開きで植え付けたサツマイモ、ニンジン、ピーマン、トマト、長ネギ、ジャガイモ、ナス、ブドウが立派に育った。また十平方㍍ほどの水田からは、コメ(ななつぼし)が一俵(六十㌔)ほど取れた。たいせつ幼稚園(末広八ノ二)の園児約七十人が収穫のお手伝いをし、チンパンジーに長ネギを与える様子も見学した。

 当日は旭川実高と旭川農高の生徒、拓殖大学北海道短期大学の学生が園児たちの収穫作業をサポートした。旭川実高三年の畠山遼大さんは、開会式のあいさつで「一年生からこの循環農園に関わっています。その時は七人の同級生がいましたが、最後は私一人になりました。でも続けて来て本当に良かったと思っています。私は将来、動物園の飼育係になりたいと希望しています。もし実現したら、この三年間の経験を活かしたいです」と振り返った。

 今年度、前担当者から農園の運営を引き継いだ稲葉範之さん(60、北海道コカ・コーラボトリング)は「夏の間の雑草抜きや水田の管理など、早朝からの作業もあって大変でしたが、今日、子どもたちが楽しそうに収穫するのを目にして、苦労が報われました」と笑顔で話していた。