「地名と探検史からひもとく大雪山」と題する展示会が六月十六日(日)まで、東川町の複合交流施設・せんとぴゅあⅡ(北町一ノ一)大雪山アーカイブスコーナーで開かれています。

 北海道各地の地名がアイヌ語と密接に関わっていることはよく知られています。かつての探検家たちは、アイヌ民族の力を借りて北海道を知り、その音訳を地名に当ててきました。

 地名と探検史の密接な関わりは、大雪山でも見ることができます。大雪山と石狩川源流部の地名の多くは、北海道の内部がまだ地理的空白地帯であった江戸末期から大正初期にかけて、この地域を探検した先覚者たちがアイヌの案内人から聞き取って付けたものであることが分かっています。

 この展示会では、アイヌ語に関わる本の中から、地名についての本を中心に展示しています。中には歴史的に貴重な本もあります。専門員がその場にいる時は説明を受けられます。声をかけてみてください。 
 また期間中の二十五日(土)午後一時半から、山岳ガイドの山樂舎ベアー代表の佐久間弘さんが、講演します。

 佐久間さんは一九六二年、新潟県上越市生まれ。高校時代の白馬岳登山で山の魅力を知ります。大学卒業後、北アルプス穂高岳山荘に勤めて以降、山小屋業界を巡りました。九五年東川町に移住し、山岳ガイドとして活動開始。二〇〇一年、山樂舎ベアー設立。ガイド業のかたわら、大雪山の環境保全活動にも取り組んでいます。一八年「大雪山・山守隊」の設立に参加。現在、大雪山の地名と探検史を研究中です。
 講演では、大雪山と探検史との関わりを文献や地図をもとに解説し、ひも解きます。参加無料。