創業四十年の児童書専門店・こども冨貴堂(七条買物公園)が、絵本や児童書を一万円分選ぶ「こどもの本一万円選書」を始めた。子どもの好きなこと、興味のあること、最近読んだ好きな本など、申し込みフォームに記入された情報をもとに選書を行う。出産祝い、進級進学祝い、誕生日プレゼントなど、贈り物としての需要が見込まれ、すでに問い合わせや申し込みがあり、好評だ。

 こども冨貴堂はこれまで、店舗での対面販売と図書館を回る営業活動を通して、子どもたちに本を届けてきた。だが昨年、新型コロナウイルスの感染拡大で来店しにくい状況が続くと、その機会は減っていった。「店の将来のことを考えて、私たちなりのやり方を模索しながら、選書をやってみようか、と決めました」と代表の土井美千代さんは話す。

 こども冨貴堂が「一万円選書」を行うのは、初めてではない。一万円選書のパイオニアのいわた書店(砂川市・岩田徹社長)に頼まれて、いわた書店に届いた子ども向けの選書の申し込みを、こども冨貴堂が引き受けたことがある。その際、岩田社長に「こども冨貴堂でもやってみては」と助言されたという。岩田社長が旭川青年大学で講師をした際は、会場で図書の販売を一緒に行い、そのときにも一万円選書の話を聞いた。

 「『始める』と言ったら、いわた書店のスタッフが店に来てくれて、いろいろ相談に乗ってくれました。フェイスブックで宣伝してくれたり、いわた書店のお客さんにチラシを配ってくれたりして、反響がありました。ありがたいです」と土井さん。「一万円選書は、対面販売とは違ったやりがいがあります。若い人にこども冨貴堂を手渡していくために、その土台を作っていきたいという思いもあります。今年の柱にしていきたいですね」と笑顔で話す。

 申し込みは、電話(TEL25―3169)またはファクス(FAX25―3171)、メール(kodomo-f@nifty.com)、郵送で受け付けている。(竹内百合)