まちなかぶんか小屋(七条買物公園)の映画部会が、これまでの活動を記録した冊子「CINEMA COLLECTIVE(シネマ・コレクティブ)」を発行した。

 同会の活動は二〇一五年にスタート。誰もが感じている何かしらの“生きづらさ”など、現実社会への関心や問題意識を軸に、議論を重ねながらコンセプトを考え、それに基づいたドキュメンタリー作品を選んで自主上映する。

 初回は、第二次世界大戦末期の沖縄戦の実情に迫る作品『沖縄うりずんの雨』を選んだ。以来、昨年までに二十作品を上映してきた。
 また上映会では、映画を見る人が作品についてより深く理解できるように、メンバーそれぞれがコメントを寄せた小冊子を製作し、配付している。

 メンバーの光岡慎二さんは「映画を見て自分たちが考えたこと、感じたことを、それが批評や評論という段階に至らなかったとしても、自分の言葉で表現する。その取り組みがこの会の特徴で、一般的な映画鑑賞団体とは違う部分でしょう」と説明する。

コロナ禍が振り返る機会に
上映会 8月再開予定

 昨年三月、新型コロナの影響で、予定していた上映会が中止に。

 活動の自粛を余儀なくされた同会のメンバーが「今できることは何か」と考え、これまでの活動をまとめた冊子を作ることにしたという。

 これまでの上映時に製作した小冊子の内容のほか、同会メンバーの学習の機会として行われてきた「シネマ塾」の活動の記録なども併せて収録している。

 同会の竹田郁さんは、「冊子の企画から完成まで丸一年かかりました。これまでは企画をするのに必死だったので、今回の冊子づくりが活動を振り返る良い機会になりました。自分たちの活動には意味があり、旭川の映画カルチャーに貢献できていると再確認できたので、今後も継続していきたいですね」と話す。

 上映会の再開は八月下旬を予定。昨年三月に中止になった作品『TOKYO アイヌ』を上映する。

 冊子は八百円(税込)。まちなかぶんか小屋のほか、こども冨貴堂(七条買物公園)、ジュンク堂書店旭川店(一ノ八 フィール旭川五階)で購入できる。(東寛樹)