集客イベントは9月に

 ものづくりのまち旭川を世界にアピールする「ASAHIKAWA DESIGN WEEK(旭川デザインウイーク・ADW)」が十六~二十日までの五日間行われた。今回は新型コロナの影響から、オンライン配信での講演会などを六月に、集客イベントを九月に分散して開催する。今号ではそのダイジェストを――(次号以降に詳報します)。

16日

 ADWの一環で開催されたⅠFDA(国際家具デザインフェア旭川)のデザインコンペティション審査委員長を務めた、建築家・藤本壮介さんによる講演が行われ、「空間から見る家具の在り方」「インテリアの未来」などについて、建築家の視点から語った。

 その後、デザインコンペティションの表彰式が開かれ、受賞者にレリーフと賞状、賞金が贈られた。そのほか、海外を含め五人の審査委員それぞれから、入賞入選者へのビデオメッセージが贈られた。また表彰式では、藤本さん、審査委員のグラフィックデザイナー・廣村正彰さん、ゴールドリーフ受賞・渡辺賢さんの三人によるフリートークも行われた。

17日

 日本を代表する建築家・隈研吾さんと、世界的デザイナー・喜多俊之さん、ウェブやビジネス、空間など、多彩なデザインプロジェクトを手がける林千晶さんの三人が討論会を行い、「持続可能な未来をデザインする」をテーマに語り合った。

 そのほか、デザインマネジメントの第一人者・田子學さんが「経営」、日本にカフェカルチャーを根付かせてきた楠本修二郎さんが「食」、デザイン思考を日本の企業や教育機関に啓発してきた石川俊祐さんが「教育」の講師となり、三つの分科会を開催。講師から約一時間の話題提供を受け、参加者との意見交換を行った。

18日

 「旭川で語る日本の未来―持続可能性、地方、自然、デザイン―」をテーマにパネルディスカッションを開催。

 ナイトタイムエコノミーを推進し夜間の文化的活動の支援を行う梅澤高明さんがモデレーターになり、楠本さん、林さん、教育の現場で日本のデザインを世界水準に押し上げてきた、武蔵野美術大学学長・長澤忠徳さんの三人が日本の未来について語った。

 また旭川デザインセンター(永山二ノ十)では十六日から、「IFDA2021入賞入選作品展」が開かれている。

 植物を組み合わせるほか、アクリルや布、フェルトなど異素材を用いるなど、ユニークな発想から制作された二十四作品が一堂に展示されている。

 九月二十六日(日)までの午前九時~午後五時(七月一日から午前十時~、九月十五~十九日は午後六時まで)、火曜定休。問い合わせは同センター(TEL48―4135)へ。(東寛樹)