東川町で介護の活動をしている「ぼだい樹の会」が十六日、町から借りて野菜や花を栽培している農園の一角にローズマリーの苗を植栽した。事務局長の村田節子さん(73)は「ローズマリーは認知症に良いとお聞きしたものですから、植えてみようと…」と、笑顔で植栽の動機を話す。

 同会は二〇〇八年、全国で初めて、男性が介護の主体となることを目的に結成された。現在は、「介護をする人とされる人が集まるサロンの開催」と「認知症防止を目的にしたオレンジ・カフェ」を月にそれぞれ一回開催している。会員は約三十人。

 この日植栽した百五十株の苗は「ローズマリーの香りで健康で活力あるまちに」を掲げて活動する「東川すこやかくらしプロジェクト」の松家源一会長(72)が提供した。

 松家さんがローズマリーについて説明し、トラクターで土盛りをした後、会員ら約二十人が植栽の作業に取り掛かった。プロジェクトのメンバーらが四十㌢の間隔で道具を使って開けた穴に、大小さまざまな苗を植えていった。作業は一時間ほどで完了。

 作業に参加した同会副会長の宮武紘一さん(78)は「ローズマリーは初めてだが、どんな具合に育つか楽しみですね」と話す。

 霜が降りる前、十月頃まで畑で栽培する予定だ。「家庭で育てたい」と希望する町民に鉢植えを提供したり、ローズマリーの「におい袋」などを作ることを考えている。

 松家さんは「近くに中学校や高校があり、畑の側の道が通学路になっている。ローズマリーの香りをかいで通学する若い人たちの中から、好きになってくれる人が出てくれれば、嬉しいですね」とローズマリー栽培の拡大に期待する。(佐久間和久)