「童謡詩人・金子みすゞの世界展」が十七日(土)から、デザインギャラリー蔵囲夢(宮下通十一)で始まります。みすゞ没後九十年、旭川みすゞ会二十周年を記念して、旭川みすゞ会と旭川信用金庫でつくる実行委員会が主催します。

 「みんなちがって、みんないい」の詩『私と小鳥と鈴と』などで知られる、みすゞの詩は教科書にも掲載され、いまでは国民的詩人と言ってもいいほどです。

 みすゞの本名は金子テル。一九〇三年、山口県大津郡仙崎村(現長門市)の生まれ。大正末期から昭和初期にかけて優れた作品を発表。詩人の西條八十に「若き童謡詩人の中の巨星」と称賛されましたが、二十六歳の若さで亡くなりました。没後、作品は埋もれたままでしたが、児童文学者の矢崎節夫氏により五百十二編の詩を収めた遺稿集が発見され、没後五十年を経て『金子みすゞ全集』(JULA出版局)が出版されました。東日本大震災後、テレビなどで放映された、みすゞの詩は多くの人の共感を呼びました。

 今展には、みすゞの遺稿童話集や、ひとり娘のふさえさんに残した手帳「南京玉」、みすゞの着物、みすゞの詩が掲載された雑誌、ふさえさんと見た絵雑誌「コドモノクニ」、みすゞ作品の翻訳本、教科書など、みすゞに関連したパネル約七十枚と資料約百点が展示されます。

 入場料は大人千円、大学・高校生とハートフル五百円、中学生以下無料。八月一日(日)までの午前十時から午後五時。

矢崎節夫氏、佐治晴夫氏
みすゞを語る特別講演会

 この展示会を記念して二つの特別講演会が大雪クリスタルホール(神楽三ノ七)で行われます。

 矢崎節夫氏が十七日(土)午後六時半から、佐治晴夫氏が二十五日(日)午後二時から、二時間程度、みすゞと詩について講演します。
 矢崎氏は長く埋もれていた、みすゞの遺稿童話集を発見した児童文学者。一九四七年、東京生まれ。金子みすゞ記念館館長。『童謡詩人金子みすゞの生涯』(JULA出版局)、童謡集『うずまきぎんが』(同)などの著書があります。

 佐治氏は理論物理学者。一九三五年、東京生まれ。東京大学、ウィーン大学で研究生活を送った後、鈴鹿短期大学学長に。美瑛町に在住し、美宙(みそら)天文台長。『詩人のための宇宙授業―金子みすゞの詩をめぐる夜想的逍遥』(JULA出版局)など著書多数。

 入場は無料ですが、整理券が必要です。整理券は市内の旭川信用金の本店・支店にあります。

 展覧会の入場券などの問い合わせは、実行委員会の村田さん(TEL080―5581―3567)か、佐藤さん(090―2058―8297)へ。メールは村田さん(kazukomurata0718@gmail.com)へ。