今年三月に上演された旭川歴史市民劇の活動をまとめた『旭川歴史市民劇 旭川青春グラフィティ ザ・ゴールデンエイジ―コロナ禍中の住民劇全記録―』(中西出版)が七月末、出版された。

 同劇は、大正末期から昭和初期にかけての旭川が舞台。地元旭川の師範学校に入学した二人の青年ヨシオとタケシが、強烈な個性の芸術家、小熊秀雄や高橋北修らと出会い、傷つきながらも自らの進む道を見つけるという群像劇だ。新型コロナ感染拡大の影響による幾多の困難を乗り越えながら、一九九〇年以来三十一年ぶりとなる市内での市民劇公演を実現した。

 本の著者は、同劇の総合プロデューサーの那須敦志さん(63)。本は、「旭川歴史市民劇の記録」「脚本」「歴史解説」の三部で構成され、巻頭には本公演や予告編、舞台裏の様子がカラー写真で掲載されている。

 当初は、市民文化会館大ホールで行う予定だった本公演で販売できるように準備を進めていた。しかし公演日の延期や会場の変更などの理由から、当初予定していた脚本と歴史解説の二部構成から、活動の記録をメインにした三部構成に内容を変更したという。

 活動の記録には、那須さん、制作プロデューサー・川谷孝司さん、演出・高田学さん、事務局長・中村康広さんの四人が、組織の立ち上げから本公演上演までを振り返る座談会も収録。その時々で、それぞれが何を考え、どう行動したかが分かる内容になっている。

 那須さんは「本を読むと、私たちがコロナ禍をどのように乗り越え、本公演の上演までこぎ着けられたか、を知ることができると思います。この本が、現在もコロナ下で取り組みを進めている、様々な人たちの参考になってくれたら」と話す。

 A5判、二百六十七㌻。千九百八十円(税込)。まちなかぶんか小屋のほか、全道の書店などで販売している。

 この本の出版記念企画として、那須さんのトークショーと同劇本公演のDVD上映会が二十八日(土)、まちなかぶんか小屋(七条買物公園)で開かれる。

 トークショーが午後一時~、DVD上映会が同二時~。入場無料。要予約。

 予約・問い合わせは、まちなかぶんか小屋(TEL23―2801)へ。(東寛樹)

※8月28日(土)に予定されていた出版記念イベントは、9月25日(土)午後4時~7時に延期になりました