七月三十一日~八月二日に和歌山県で開催された全国高等学校総合文化祭(紀の国わかやま総文2021)自然科学部門で、旭川北高校の理科実験研究部が最優秀賞を受賞した。同賞の受賞は道内四校目で、市内の高校では初めて。

 全国総合文化祭は「文化部のインターハイ」とも呼ばれ、各都道府県の生徒同士の研鑽と交流を目的に開催されている。同部のメンバーは、「モンシロチョウは体温上昇に翅(はね)を利用するか」というテーマで研究結果を発表。研究発表の生物部門で最優秀賞を受賞した。

 この研究は、現在の二、三年生が、昨年卒業した先輩から引き継いだ。「自力で体温を保てないモンシロチョウが、気温の低い早朝から飛翔できるのはなぜか」という素朴な疑問から、二〇一九年に研究がスタートした。

 研究を進めるうちに、「チョウは翅で太陽の輻射熱を吸収して体温を上げる」という、これまでの科学的な常識が、モンシロチョウでは異なることを発見した。同年の高文連全道大会で北海道代表となり、国内で最も伝統のある科学コンクール「日本学生科学賞」では入選一等を受賞した。

 そして翌年にはさらに研究を発展させ、モンシロチョウは翅を反射板として太陽輻射熱を集めて体温を上げていることや、そのために開く翅の角度は二十度付近が最適であることなどを突き止めた。

 同部の中村圭佑部長(17)は「自分たちの立てた仮説が、思っていた通りだったと分かった時はとても嬉しかった。この研究は三代にわたって引き継がれてきたもので、先輩たちや自分たちの努力を、今回の最優秀賞という形で実らせることができました」と受賞を喜んだ。(東寛樹)