旭川農業高校(永山町十四)が、髙砂酒造(市内宮下通 十七)などと協力して昨年から進めている日本酒醸造プロジェクトが佳境を迎え二月十九、二十日に体験作業を行った。

 旭農高の生徒が酒米の栽培から収穫、酒の製造、製品化までを実際の作業を経験しながら学んでいくというプロジェクト。昨年四月から、同蔵をはじめ、地元企業の協力のもとで進められてきた。

 今回は昨年五月に田植えし、九月に収穫した酒米「きたしずく」約千八百㌔を醸造する作業。同校農業科学科水稲班の二、三年生十六人が参加した。

 杜氏の森本良久さん(52)から工程の説明を受けて作業はスタート。蒸米・麹室作業を見学した後、タンクの中の醪(もろみ)を混ぜる「櫂(かい)入れ」と仕込み前に米を洗う「洗米」の二工程の作業を行った。生徒たちは初めての経験に戸惑う姿を見せながらも、真剣な表情で作業に取り組んだ。

 櫂入れ作業を体験した二年・紅露恋菜(こうろれんな)さんは「イメージよりも力を使う作業で大変でした。お酒の匂いは好きじゃないけど、自分たちが造ったお酒は大人になったら飲んでみたいです」と笑顔で話した。

 プロジェクトで製造する酒は「純米酒 兆2022」と命名。四月に七百五十㍉㍑入り約三千五百本に瓶詰し、生徒たちがデザインしたラベルを張る作業を行い、五月に発売発表会を開く予定だ。(工藤森)