日本漫画家協会賞の大賞を受賞した山村輝夫さん(一九四二―二〇二〇)の企画展が六月三十日(木)まで、旭川文学資料館(常磐公園常磐館内)のミニ展示室で行われています。

 山村さんは旭川市生まれ。旭川北高、武蔵野美術大学卒業。東京で漫画家の杉浦幸雄氏に師事し漫画家の道を目指しますが、家業の酒販業を継ぐため帰旭。故郷の自然や人情に触れ、歴史を学ぶことで、自分の世界を見出し再び筆を取ります。 

 一九七七年、漫画私本『北に住みて想う日々あれば』=写真=で、第六回日本漫画家協会賞の大賞を受賞します。この時の優秀賞は、みつはしちかこ『小さな恋のものがたり』、特別賞は、ちばてつや『のたり松太郎』でした。歴代の大賞受賞者には、手塚治虫や藤子不二雄、松本零士、池田理代子、石ノ森章太郎、やなせたかし、長谷川町子、里中満智子、つげ義春、永井豪、さくらももこ、モンキーパンチなど、お馴染みの漫画家が名を連ねます。二一年度の受賞者は『鬼滅の刃』の吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)でした。

 九〇年、画文集『遠い日のうた』で第三十九回小学館絵画賞を受賞。そのほか絵本絵画作品に、開拓絵物語『原野に星は光る』、漫画私本『オサラッペ山老骨記』、『キリちゃん』、『天と地の家族』などがあります。

 七八年から約五年間、月刊誌「月刊ダン」(北海道新聞社刊)の表紙絵も描きました。

 企画展では、多くの著作群や「月刊ダン」の表紙絵、絵画、写真、新聞記事などを展示します。

 入場は無料。開館は午前十時~午後四時。日、月曜日と祝祭日は休館です。

 問い合わせは旭川文学資料友の会(TEL22―3334)まで。