詩誌『フラジャイル』第十四号(発行・フラジャイル党、柴田望代表)がこのほど刊行された。

 「小熊秀雄生誕一二〇年記念講演」(主催・旭川市中央図書館)を十五㌻にわたり採録。「小熊秀雄への応答~現代への影響と将来への展望~」をテーマに、特別講師の詩人・吉増剛造と講師の柴田さん、木暮純さん(同誌編集人)が小熊に関連する話を幅広く展開。吉増が質問を投げかけ、詩人の金石稔さんや小熊秀雄賞市民実行委員会会長の橋爪弘敬さん、旭川市歴史市民劇総合プロデューサーの那須敦志さん、歌人でかぎろひ詩社同人の智理北杜さんが答えている。

 吉増は一九八〇年代、旭川の文化的拠点だった「河原館」を訪れ、「旭川は鉄器の味がした」を詩集『青空』(河出書房新社、一九七九年)に書き、彫刻家・砂澤ビッキや演出家・星野由美子など多くの文化人と交流をもっている。

 第十六回日本詩歌句随筆評論大賞の優秀賞を受賞した詩人・葉山美玖さんが最新作の「公園」を寄稿。

 表紙写真を撮った旭川市生まれの写真家・谷口雅彦さんが「生まれた春光の町と緑町の光と影の家と最初の写真を撮った日のこと。」と題したエッセイを寄せている。

 A四判、八十四㌻。六百円(税込み)。市内のジュンク堂書店旭川店、こども冨貴堂、コーチャンフォー旭川店で販売している。(佐久間和久)