春光台公園に群生しているミズバショウが見ごろを迎えている。道道旭川幌加内線をはさんだ公園の東側エリア、幅約百㍍×長さ約九百㍍ほどの湿地帯に約一万株が自生している。

 この場所の近くに住み、あさひかわ新聞に「四国八十八ヶ所歩きお遍路一人旅」を連載している中村洋一さんは一九九四年五月、「宅地造成で木々が伐採され、周辺の沢は次々埋められており、このままではミズバショウは消滅してしまう」と一帯を調査し、八千八百六十三株のミズバショウの自生を確認した。以来、二〇〇一年まで調査を続け、そのデータをもとに、旭川市に保全を要請。〇六年、公園みどり課が事務局となり、市民も参加した「春光台ミズバショウの保全・復元検討会」が発足した。

 二十人の会員は毎年、生育調査を行い、ミズバショウの生育域を脅かすオオハンゴンソウなどの帰化植物の駆除や、水が生育域全体に流れるよう木製の堰(せき)を設置するなど、保全活動に取り組んでいる。

 園内にはミズバショウを近くで観察でき場所が四カ所あり、この時期にはミズバショウに混じって咲くエゾノリュウキンカも見ることができる。

 中村さんは「散策コースにもなっており、特にミズバショウの時期になると、公園を訪れる人も多くなるようです。小中学生の野外学習の場にもなっています。豊かな自然を感じることのできる、この自然環境を残していかなければなりません」と話している。
(佐久間和久)