旭山動物園が四月二十九日、二〇二二年度の夏期開園を迎えた。

 開園前には三年ぶりとなるオープニングセレモニーも行われ、子どもたちが参加する園旗掲揚やテープカットのほか、旭川中学校吹奏楽部の演奏などが花を添えた。

 セレモニーでは坂東元園長が「今年はこじんまりとではありますが、こうして夏期開園の日を迎えられました。動物園はたくさんの生き物がいる場所で、地球や日本、北海道などについて考えることができる場でもあります。これから私たちがどのように生きていくのかを楽しみながら考えてもらえる、そんな動物園を目指していきたい」と挨拶した。

 オープン初日は、この日を心待ちにしていた市民ら九千八百六人が訪れ、動物との触れ合いを楽しんだ。

 今シーズン一番の注目は、大型施設では「きりん舎・かば館」以来、九年ぶりに新設された「えぞひぐま館」。よりヒグマらしく過ごせるようにつくられた外放飼場では、落ちた木の実を食べる様子など、季節ごとのヒグマの行動を観察できる。

 加えて、屋内には「知床財団」の展示ブースが設けられ、パネルや映像などから、世界自然遺産・知床で起こっている、人と動物との関係の最先端を知ることができる。

 また、昨年十二月に生まれたホッキョクグマの赤ちゃんが今シーズンから本格的に公開され、その成長も見どころだ。

 両親と来ていた札幌市の伊藤美柚(みゆず)ちゃん(5)は「動物が大好き。アザラシがかわいかった。ホッキョクグマの赤ちゃんも見られて嬉しい」と楽しんでいた。

 開園時間は、午前九時半~午後五時十五分(十月十六日~十一月三日は午後四時半まで、最終入園はともに同四時まで)。
(東寛樹)