旭川彫刻フェスタ「二十周年記念展」が、中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館(春光五ノ七)と同館ステーションギャラリー(宮下通八)で開催されている。

 市内で最初に設置された野外彫刻は、市役所前(六ノ九)の「青年像」(新田実、一九六一年)。以来、市内各所に野外彫刻が増えてゆき、現在は、買物公園や常磐公園、橋の上など、約百基の作品が点在している。

 また市は、彫刻界の最高賞といわれる「中原悌二郎賞」を一九七〇年にスタート。七二年にオープンした買物公園には、当時の五十嵐広三市長が自ら作家にオーダーするなど、多くの野外彫刻が置かれた。買物公園が彫刻とともにメディアで紹介されるようになると、「旭川=彫刻」のイメージが強まり、八〇年代頃から「彫刻のまち」と呼ばれるようになったという。

 旭川彫刻フェスタは、「彫刻のまちづくりの推進」と「彫刻のまちの魅力発信」を目的に二〇〇〇年、官民協働事業として始まり、野外彫刻の公開制作やワークショップ、講演会などを一年おきに行ってきた。

 彫刻美術館の山腋雄一館長は「彫刻と市民との関係性をもっと親しいものにしようと彫刻フェスタがスタートしました。その大きな手法として、彫刻ができていく過程が見られる公開制作を続けてきました。忠別橋公園の河川敷をジョギングする人が見て楽しんだり、彫刻の清掃ボランティアの皆さんの生きがいになっているなど、関係性づくりという部分では成果があったと思います。一方で、彫刻に目が向いていない人へのアピールについては、まだまだ努力を続けていかなくてはなりません」と語る。

14人の作品を一堂に
作家のギャラリートークも

 今回の彫刻フェスタは、「二十周年記念展」として、二十年間で公開制作に参加した作家十四人の作品が会場に並ぶ。八月二十日(土)には、数人の作家が公開制作当時のエピソードなどを話すギャラリートークも行われる予定だ。

 山腋館長は「今展では作家の紹介だけでなく、パネルに表示されたQRコードを読み込むと、公開制作された十六点の彫刻の動画が見られます。野外彫刻は、季節や時間で見え方が変わるので、その表情の変化にクローズアップした映像に仕上げました。これまでの取り組みや作品を見て、彫刻の魅力を感じてもらえたら」と呼びかける。

 八月二十八日(日)まで。彫刻美術館が、午前九時~午後五時(入館は四時半まで)。会期中無休。一般・四百五十円、高校生・三百円、中学生以下無料。ステーションギャラリーは、午前十時半~午後六時半(入館は六時十五分まで)。会期中無休。観覧無料。

 また、期間中の二十七日(水)~八月八日(月)には、ギャラリーシーズ(市内旭町二ノ三)でも連動した展示やギャラリートークが行われる。

 問い合わせは同館(TEL46―6277)か、ギャラリーシーズ(TEL53―8886)へ。(東寛樹)