市博物館(神楽三ノ七)で「まちのあゆみ~暮らしの移りかわり」をテーマにした企画展が二十八日(日)まで行われている=写真。今年、旭川市が市政施行百年を迎えたことから企画された。

 一八八五年(明治十八年)、岩村通俊や永山武四郎らは北海道の中央に位置する上川盆地に都市をつくることを決意。九〇年(同二十三年)に旭川、永山、神居村が、九二年(同二十五年)に神楽、鷹栖村が置かれ、この地域の開拓が始まった。その後、鉄道が敷設され、第七師団が移転されたことで、町、区へと道内有数の都市に発展。一九二二年(大正十一年)に市政が施行された。

 同館学芸員の杉山一彦さんは「その時、旭川のほか札幌や函館、小樽など、六市が誕生していますが、旭川は他市と比べ、最も早いスピードで村から市へと発展しました」と説明する。

 市政が施行された翌年に発行された「市政要覧」など約六百点が展示されている。ほとんどが同館に寄贈され、保管されている資料で、一部中央図書館から借りた資料もある。

 一九三〇年(昭和五年)から始まった牛朱別川の切替工事で、現在のロータリーや常磐公園付近がどのように変わったかを示す地図のほか、市内を写した風景写真などから、一九〇〇年代中頃までの旭川が、よく分かる展示となっている。

 戦中から現在までは、十年ごとに時代を区切り、主な出来事を年表に示し、その頃を知る人にとっては“懐かしい”品々が並んでいる。

 四十日の期間中、約五十二万人の人が訪れたという五〇年(同二十五年)に常磐公園で開催された、北海道開発大博覧会のパンフレット。八一年(同五十六年)から始まったバーサー大会の一回目から四十回目までの記念バッジやポスター。九〇年(平成二年)の開基百年、九八年(同十年)の冬季オリンピック誘致を目指した時の資料、等々。

 暮らしの移り変わりのコーナーには、ガリ版や鉄道切符(硬券)、切符切り、竹スキー、雪下駄、手動のかき氷器、ダッコちゃんなどが並ぶ。

 この他、旭川スケッチ研究会の会員八人が描いた、歴史的建造物の風景画三十一点。今はすっかり見ることがなくなった小型マッチのラベル約二百点も展示。

 埼玉県から来旭したという長沢智子さん(72)と一関敬子さん(73)は「旭岳と黒岳に登り、高山植物を見てきました。帰るまで時間があったので、アイヌのことを知りたいと思い博物館に来ました。旭川の歴史についても展示してあったので、旭川のことをよく知ることが出来ました」と笑顔で話した。

 杉山さんは「市政施行後百年の旭川のことがよくわかる展示です。夏休み期間中、ぜひ家族連れで訪ねて下さい」とPRしている。

 八月十一日(木・祝)は午前十時半から約一時間、学芸員が展示の紹介・解説をする。申し込みは不要。

 開館時間は、午前九時から午後五時まで(入館受付は午後四時半まで)。八月十一日から十五日は、午後七時まで(同午後六時半まで)。観覧料は大人三百五十円、高校生二百三十円、小中学生無料。

 問い合わせは、同館(TEL69―2004)へ。(佐久間和久)