4ノ22
TEL090-7515-0948

 焼きいもと言えば、冬に食べるものというイメージがある。ところが、真夏だというのに女性客が次々に来店する。いったい、どうなっているのだろう。食べてみて、完璧に納得した。なんと柔らかく、とろけるようにクリーミーなのだろう。焼きいもというより、これは焼きいもの形をした極上のスイーツと言ってよいかも。美味しいものには冬も夏もないのだ。

 ここは、三十年ほど前から続く焼きいもの有名店。全国から歌手・矢沢永吉のファンが訪れる聖地としても知られている。ところがこの三月、オーナーの長年の知人であるカクテールサロン「光亭」のマスター高貝年擴さん(58)に、突然電話がかかってきた。「体力的に店を続けるのは限界」との訴えだった。申し出を受け、高貝さんは店を引き継ぐことを決意。店内を大幅にリニューアルしてこの七月、開店にこぎつけた。

 主に担当するのは、先代から特訓を受けた高貝さんの妻・朋佳さん(36)。高貝夫妻は、夜は引き続き「光亭」を経営。その傍ら、子育てもあるという忙しさだ。
 サツマイモは、先代と同じく茨城県旭村から取り寄せる一カ月熟成の紅はるか「旭甘十郎」。これを店内でさらに一カ月熟成させ、低温で三十分、スチームをかけながら二百五十度の高温で一時間かけて焼き上げる。焼きいも、冷やし熟成焼きいもの二種類があり、いずれも一本八百円。

 また、先代のときは焼きいもだけしか販売していなかったが、洋菓子作りの名人としても知られる高貝さんが「おいしい焼きいもから作るスイーツ」を考案。焼きいもペーストとソフトクリームなどで絶妙な美味しさを実現した、焼きいもブリュレ(六百円)、同シェイク(五百円)、同アフォガード(同)の三種を販売している。こちらも、早くも大人気だ。店内には依然と変わらず矢沢永吉の写真が飾られ、歌ががんがんかかっていますよ。

 不定休。営業時間は正午~午後六時。(ラッコよしき)

 

ケロコメモ

 焼きいもは毎日食べてもいいくらい大好き。ここの店には、通りかかったらいつも入っていた。それがやめると聞いて「キャーッ!」と思っていたら、光亭の高貝さんが引き継ぐという。

 早速、行ってみた。焼きいもを買おうと思ったけれど、スイーツも何種類かある。高貝さんが作るのだから、美味しいに決まっている。

 迷った末、焼きいもブリュレにした。豊富牛乳とハチミツを使ったソフトクリームに、焼きいものペーストがのっている。それに黒蜜をかけて。通うところがまた増えた。