第四十三回北海道子どもの本のつどい旭川大会が九月二十四、二十五日の二日間、大雪クリスタルホール(市内神楽三ノ七)、神楽市民交流センター(神楽三ノ六)で開かれた。実行委員会(北川武子委員長)の主催。あさひかわ新聞協賛。

 旭川での開催は十一年振り六回目。「みつけよう 心のつばさ はばたこう ことばの森」をテーマに初日に八つの分科会、二日目には角野栄子さんによる基調講演が行われた。

 初日の分科会は「公共図書館」や「楽しい絵本の読み聞かせ・紙芝居」など八つのテーマに別れて行われた。また、川村カ子トアイヌ記念館の川村久恵副館長と絵本作家・あべ弘士さんが、絵本『クマと少年』ができるまでなどについて語り合う対談などが行われ、多くの参加者が興味深く耳を傾けた。

 二日目には絵本・児童文学作家の角野栄子さんによる基調講演が行われた。角野さんは神奈川県在住。代表作に「魔女の宅急便」を持ち、二〇一八年に日本人三人目となる「国際アルゼンチン賞作家賞」を受賞したほか数々の賞を受賞。また、〇〇年に紫綬褒章、一四年には旭日小綬章を受章している。

 講演会には会場が満席となる約三百人が参加。角野さんが登場すると大きな拍手が鳴り響いた。講演で角野さんは、自身の体験を基に書いた作品の裏話や、戦時中の体験談をユーモアを交えて話し、会場を沸かせた。最後に、現在建設中で二三年十一月に東京都江戸川区に開館予定の「角野栄子児童文学館」について話し講演を締めくくった。(工藤森)