市内神居町雨紛の米農家・室崎敏夫さん(88)が五日、旭川おとな食堂に新米のおぼろづき一㌧を贈った。

 

 旭川おとな食堂(岡本千晴代表)は、市内のこども食堂をはじめ、プレーパークや学習支援など、子どもの居場所づくりを行う運営者のネットワーク組織。寄贈された食材、子ども支援のノウハウの共有や、これから立ち上げる人のサポートなど、中間支援活動を行っている。

 室崎さんは十年ほど前に子ども食堂の存在を知り、「いつか自分のコメを贈りたい」と考えていたが、生産したコメは顧客への直売分でほとんどなくなってしまうため、これまで贈れずにいた。

 しかし、昨年から作付面積を広げ、今年は豊作で十分な量を収穫できたことに加えて、子ども食堂の運営が厳しい状況にあることを新聞記事で知り、今回の寄贈に至ったという。

 室崎さんは「いろいろなタイミングが重なった結果、ようやく贈ることができました。自分としてはまだまだの出来ですが、お客さんには『美味しい』と言っていただけます。子どもたちに新米の味を楽しんでもらえたら」と笑顔で話す。

 岡本代表は「個人で一㌧というのは初めてです。多くの方に子ども食堂を気にかけてもらえて嬉しい。主食となるコメは重要で、これまでも切らさないように取り組んできたので、とてもありがたいです。早速、希望している団体に渡したい」と寄贈を喜んだ。(東寛樹)