ぬくもりホールの会(村田和子代表)が三日、今津寛介市長と野﨑幸宏教育長に「大雪クリスタルホール音楽堂の施設管理・運営に係る事項についての要望」を行った。村田代表と会員ら四人が教育委員会を訪れ、野﨑教育長に要望書を提出した。

 同ホール音楽堂は、ぬくもりホールの会を中核にした市民運動で一九九三年に建設された。築三十年を経過し、「長年の使用による建物や内部の施設設備などの疲労、問題が多く見受けられ、必要とされる機能が果たせなくなりつつある」として「今後も健全な形で維持、活用していくにあたり、必要な対策を講じていただきたい」と要望した。

 具体的には、「ステージ周りのドアのパッキング劣化が著しく、開閉不能となる恐れがある。ドアの隙間からの音漏れは催事運営の大きな支障となる。事実、異音の発生でコンサートに支障が出ている」「ステージ床面に傷や凸凹がみられる」「屋外キャノピーの柱に多くの穴が空いている」「調整室には時代のニーズに合わず、使用できない機材が多数ある。楽屋周りのモニターが、未だにブラウン管テレビのままになっている」等々。

 音楽家で二十年にわたり同ホールで、ジャズマンスを主催。国内外から著名な演奏家を招いてきた佐々木義生さんは「会の発足から五年をかけて世界に誇る国内屈指の音響を誇る音楽堂が完成した。演奏に精通した演奏家たちからは、このホールの音響を絶賛する声を聞いてきた。『ホールが人を育て、人が文化を作り、文化が街を作る』という理念をもとに作られたホールの開館三十周年を迎える年に原点に立ち返り、改善していく一助となるため、提言・要望させていただいた」と力を込めた。ホールの設計を担当した永田音響設計による調査も提言した。

 野﨑教育長は「音楽堂への世界の演奏家の高い評価は、参考になった。私も旭川の財産だと思っている。何分予算がないが、皆さんの思いを受け止め、計画的に優先順位を決めて行うよう努力する」と答えた。(佐久間和久)