旭川市在住で元看板絵師の藤林利朗さん(78)の個展「ロールスクリーンをキャンバスに」が、ギャラリー喫茶ルル(市内六ノ八)で開かれている。

 中富良野町出身の藤林さんは、十五歳で旭川市内の看板製作会社に就職。市内の映画館から依頼を受けて、上映作品を知らせる大型看板などを描いていた。

 今展では、藤林さんが二〇二一年から最近までに描いた点描画など十三点を展示。作品は全て、窓の遮光などに用いられるロールスクリーンに描かれていて、藤林さんは「ある展示を見た時、同じ素材に描かれている絵を見て着想を得ました。コンパクトになるので持ち運びにも便利」と話す。

 「点描」は、絵画などで点の集合や短いタッチで表現する技法。藤林さんは油性ペンを用いた点描で、往年のジャズミュージシャンや、メジャーリーガーの大谷翔平、将棋棋士の藤井聡太などを描いた。

 藤林さんは「モナリザは完成まで一カ月ほどかかりました。点描は、点が一つ二つ増えるだけで印象がガラッと変わるので、とても緻密な作業です。点で表現した服の躍動感や顔の陰影などを、間近で見て楽しんでもらえたら」と呼びかける。

 三月四日(土)まで。営業時間は午前八時~午後六時(土曜は午後二時まで)、日曜祝日定休。

 問い合わせは同店(TEL 22―7911)へ。(東寛樹)