「待ち焦がれた春を、ひと足早く感じてほしい」と、毎年この時期に開催している企画展「~日本の心~富士と桜」が、ギャラリーシーズ(久木佐知子代表、市内旭町二ノ三)で開催されている。今回で六回目。

 気高く荘厳な富士と、はかなくも可憐な桜は、古くから芸術家たちの至高のモチーフとされ、葛飾北斎や横山大観に代表されるたくさんの名作が生まれてきた。同展では、二〇二一年に文化勲章を受章した絹谷幸二、京都画壇を代表する上村淳之、山種美術館賞を受賞した猪熊佳子など、現代を代表する日本画家、洋画家の描く「富士」と「桜」の作品二十点が並ぶ。

 ひときわ目を引くのが、日本画壇のホープ、清水規の描いた「湖畔の灯」。迫力ある富士と街あかりという意外な取り合わせもさることながら、湖面や街灯の光が画材の特質によってキラキラ光って見えるのが印象的だ。

 二十七日(月)まで。午前十一時~午後六時(火曜日休廊)。入場無料。問い合わせは同画廊(TEL 53―8886)へ。(岡本成史)