「三・八 国際女性デー道北集会」が四日、勤労者福祉会館(六ノ四)大会議室で行われ、旭川市出身のジャーナリスト・金平茂紀さんが「日本はどこへ向かうのか? 大軍拡へと進む現政権のねらい」と題して講演した。市民ら約三百人が集まった。新日本婦人の会旭川支部などでつくる実行委員会の主催。

 金平さんは「今、ものを言わないでいると、後戻りできないひどい世の中になる。今日は本当のことしか言わない」と話し始めた。

 ロシアのウクライナ侵攻について、今冬の年末年始にモスクワを訪れた時の様子を、「クレムリン赤の広場は人々で混み合い、公設市場にはモノがあふれていた。戦争は、しばらく終わらないかもしれない」と印象を語った。また一九四一年の独ソ戦争を引き合いに、「スターリンは二千万人の死者が出ても停戦しなかった。スターリンにそっくりのプーチンも同じ」と断言した。

 「現在、国連はまったく機能を果たせず、外交的手段で人を殺し合うことはやめようという平和論ではなく、『ロシアを許さない』という正義論から、欧米はウクライナに武器を投入し続けている。この機に乗じて、日本は戦争のできる国へと突き進んでいる。まるで、火事場泥棒のようだ」と強く批判した。

 政府は二〇二三年度以降、五年間で防衛費を四十三兆円に大幅増額する方針だ。「これを国会ではなく閣議決定した。アメリカ、中国に次ぐ世界第三位の軍事大国になる。武器はモノを壊すだけで、何も生み出さない」と語った。

 また沖縄・与那国島など南西諸島で、ミサイル基地の建設が進んでいることを指摘。「公道を装甲車が我が物顔で走っているのは、これまで見たことがなかった光景」と憤った。

 野党が弱体化している現在、「すべての政党が解散させられ、大政翼賛会一色だった一九四〇年代に似てきている。『新しい戦前』にならぬために、今回の統一地方選が重要になる」と呼びかけた。

 「このような意見は少数派だと思うべき。エコーチェンバー(同じような意見を見聞きし続けることで、自分の意見が増幅・強化されること)に陥らないことだ。でも、モノを言わなくなったら、終わり。政治は身近なところから話しを」と締めくくった。(佐久間和久)