第十一回絵本フォーラム「長野ヒデ子の世界」が十二日、大雪クリスタルホール(神楽三ノ七)国際会議場大会議室で開かれた。旭川絵本の会の主催。約百三十人が参加した。

 前半に、市内の読み聞かせサークル五団体の代表者が、一作品ずつ長野ヒデ子さんの絵本の読み聞かせをし、後半は長野さんが講演した。

 最近骨折したという長野さんは、車椅子に乗って会場入り。自らの車椅子初体験を前向きかつユーモラスに語り、参加者の笑いを誘った。

 講演で長野さんは、作品の誕生秘話や、絵本作家となるきっかけとなった編集者との出会いのエピソードなどを披露。やわらかな語り口ながらテンポ良く展開する話に、参加者は引き込まれるように聞き入っていた。

 長野さんは、紙芝居への思いについても言及。「絵本は読者が絵の中に入って行くもの。紙芝居は演じることで、観客に絵が飛び出してくるもの」と、絵本と紙芝居の違いについて語った。最後には舞台を設置し(紙芝居を入れる箱のことを「舞台」と呼ぶのだそう)、紙芝居の実演も行ってみせた。

 一時間半以上に及んだ講演は、終始和やかな雰囲気で進み、長野さんはまだまだ語り足りないといった様子で講演会を終えた。(岡本成史)

(写真=実行委員の稗田幾子さん提供)