東神楽町ひじり野方面からひじり野大橋を渡り、市総合防災センター(東光二十七ノ八)を通り過ぎた頃、左手の道路端にチューリップの花が約四百㍍にわたって咲き誇り、ドライバーの目を楽しませている。

 近くに住む農家の中村俊子さん(80)が約二十年前から、手塩にかけて育てているチューリップだ。中村さんは「この道が造られた時、隣の茶畑美栄子さん(78)と『何か花でも植ようか』と相談し、チューリップを植え始めました。最初の四、五年は花の盛りが過ぎた五月下旬に花を摘み、球根を増やし、新たに植えていきました。今は花を摘み、茎を抜くだけで球根は、そのまま越冬させています。草取りは、お父さん(勇さん・83)に手伝ってもらって、年五回ほど畑が暇な時にしています」と語る。

 最初、中村さんと茶畑さんは共同作業をしていたが、今では自宅に近い二百㍍ずつ分担して育てている。

 中村さんは「大変なことは大変ですが、体が続く限りやりたいと思っています」と微笑んだ。(佐久間和久)