旭川家具工業協同組合(藤田哲也理事長)が九日、主催する「あたらしい旭川市役所に置く木の家具をデザインしよう!!」にデザインが採用された小学生を招き、工場見学会を行った。

 同企画は、今年十一月に開庁する旭川市の新庁舎九階・展望フロアに設置する木の家具を、市内の小学生以下の子どもたちにデザインしてもらおうというもの。昨年十一月に行われた審査会で、応募のあった七十八点の中から「大雪山のベンチ」、「樹木のベンチ」、「動物のあしあとのテーブル」など六人・九点のアイデアが選出された。

 見学会は、六人がそれぞれ、自分のデザインをもとに製作を進めている現場を訪問。職人らの説明を聞きながら、製作途中の実物に触れたり、実際に座ったりして、感触を楽しんだ。

 市工芸センター(緑が丘東一ノ三)では、井上晴貴さん(9)がデザインした「白くまベンチ」「あざらしベンチ」「カバベンチ」の三つを製作。旭川木彫協会の職人によって丸太から動物の形に削り出された現物を見た井上さんは「かわいく作ってくれて嬉しい。みんなに座ってもらいたい」と満足した様子だった。

 「旭橋のイス」をデザインした嶋﨑心咲(みさき)さん(10)は、匠工芸(東神楽町南一番通二十四番地)を訪れ「自分の描いたデザインが、実物になっていて嬉しかった。川をイメージした座面は、きれいな水色でとても気に入りました。出来上がるのが楽しみ」と出来栄えを喜んだ。
 藤田理事長は「どの家具も、子どもがデザインしたものを大事に、形にしようという思いが強く感じられます。多くの皆様に見ていただける日が楽しみ」と話す。

 子どもたちがデザインした家具は今後、十月中に新庁舎に納品され、十一月六日(月)の開庁当日から利用できるという。(東寛樹)