銭湯絵師の湯島ちょこさんが十五日、フタバ湯(加地経郎さん経営、春光七ノ五)浴場の壁一面に大雪山系の山々を描いた。

 湯島さんは「高校生の頃、精神的に銭湯に救われたことで、銭湯大好き人間になりました。銭湯の良さを出来るだけ多くの人たちに知ってもらいたいとSNSで発信したり、銭湯でイベントを開いたりしていました」と話す。ひょんなことから銭湯絵師と知り合い、絵が得意だったこともあり、仕事現場に通っているうちに、自然とその技術を覚えたとか。

 五年ほど前から絵師の仕事を開始し、フタバ湯は十軒目。三年前、札幌で仕事をした時、絶対に行きたいと思っていた旭山動物園へ。その帰りに入った銭湯がフタバ湯だったことが、今回の仕事につながった。

 加地さんは「どうしても描いてもらいたくて三年間ラブコールし、やっと実現した」と笑顔で話す。直前まで、富士山か大雪山か悩んだが、「旭川なら、やっぱり大雪山」と湯島さんを乗せ、山々が一望できる場所まで車を飛ばした。湯島さんは約十時間かけて、大雪山系を描き切った。(佐久間和久)