「旭川で最初の写真師中鉢直綱とあさひかわの写真」展が十月四日(水)から十一日(水)まで、市民ギャラリー(宮下通十一丁目)で開かれます。主催は、谷口雅彦写真アーカイブ室。
 谷口さんは旭川出身の写真家。あさひかわ新聞に「谷口雅彦の写真の話」を連載中です。

 展示内容は①一八九九年(明治三十二年)、旭川で初めて写真館を開業した写真師・中鉢直綱(なかはち なおつな)が撮影した、明治の旭川と日露戦争従軍の写真(ビンテージプリント=写真家自身が撮影後ただちにプリント、署名したもの)が貼り付けられた写真帖の公開、②「谷口雅彦写真アーカイブ室」所蔵の旭川関連の写真、③二〇〇〇年代初め頃までの「あさひかわ写真アーカイブ研究会」所蔵の旭川市民が寄せてくれた写真で構成。公的な図書館や博物館などに収蔵されていない写真群による、「旭川の百年(一八九九年―二〇〇一年)」です。

 写真師中鉢は一八七九年(明治十二年)、山形県の天童町で誕生。九〇年、父母と共に滝川に入植。九九年、旭川で初の写真館を開業。一九〇四年、日露戦争開戦。第七師団に従軍写真師として参加。〇六年、旭川の写真館を兄弟に任せ、渡米。〇九年、帰国。旭川の写真館を閉じ、東京麻布飯倉で写真館を開業。三四年、オリエンタル写真工業の取締役就任。六一年、死去。享年八十一歳。

 谷口さんは、二〇〇〇年頃、オリエンタル写真工業の沿革史に関わることになり、旭川の写真史を調べていくうちに、中鉢写真館が旭川で初めての写真館であることが分かったそうです。

 その後、「二一年十月、ある写真コレクターから、明治四十年撮影の旭川第七師団内の建設途中の写真を入手しました。これを機に、中鉢写真館の足跡を重点的に調査を始め、関係者を尋ね歩きました。二二年四月、東京都内にご子孫が住んでいることを突き止め、お伺いし、五月にご子孫が残してくださっていた中鉢直綱の資料を引き継ぐかたちで、段ボール三箱分の写真アルバムや資料を旭川に持ち帰り、『谷口雅彦写真アーカイブ室』内に『写真師中鉢直綱研究室』を設立しました。今回、この中の一冊の写真帖にスポットを当て、他にアーカイブ室がこれまで収集した写真や市民からの写真などを展示します」と語っています。

 開館時間は午前十時~午後五時(最終日は、午後三時)。