旭川美術館(常磐公園)第二展示室で開催されている展覧会「木の匠たち 伝統工芸から家具、クラフトまで」に関連して、同展の出品作家、人間国宝の村山明一さんと須田賢司さんによる講演会が、同館講堂で行われます。

 二十一日(土)午後二時からは、村山さんが「私と木工芸」と題し、自身の制作にまつわる話をします。村山さんの作品は、木をくり抜き、自在にかたちを削り出す「刳物(くりもの)」という技法。拭漆(ふきうるし)の伝統技法も継承し、艶やかで重厚な造形を生み出しています。

 十一月四日(土)午前十時半からは、須田さんが「清雅を標に」と題し、木工史における自身の仕事について話します。須田さんの技法は「指物(さしもの)と呼ばれる、木の板を釘などを使わずにホゾとホゾ穴で組んでいく技法で、刳物とは対照的。指物でありながら、まるで丸太から切り出したような木目の連続性を持つ「GORON!」という作品は一見の価値ありです。

 同館は昨年、開館二十周年を記念して両氏の作品を新たに収蔵しました。同展が収蔵以来初の公開となります。

 いずれの講演会も時間は約九十分。聴講は無料ですが、定員が五十人で、事前申し込みが必要です。申し込みは電話で同館(TEL 25―2577)まで。