ベストセラーの憲法書『檻の中のライオン』著者の楾(はんどう)大樹さんの講演会が十月二十一日(土)、アートホテル旭川(七ノ六)で開催された。憲法九条を守りひろめる旭川地区平和集会内での催しで、「憲法九条―世界へ未来へ旭川連絡会―」の主催。

 楾さんは弁護士で、ひろしま市民法律事務所所長。著書に憲法書として異例のベストセラーとなった『檻の中のライオン』や『けんぽう絵本おりとライオン』、『檻を壊すライオン』などがあり、全都道府県で九百回以上講演会を開催している。

 「檻の中のライオン~憲法ってなんだろう?~」と題した講演は、「前提として、憲法は国民主体で考えなければならない。立場や思想に関わらず、皆が共有すべきことだが、それがなかなかできていない。憲法を学校で習いましたか?」という問いかけから始まった。

 楾さんは、なぜ憲法を学ぶのか、なぜ憲法があるのかといった基本的なことを含め、国家権力をライオンに、憲法を檻にみたて、「ライオンを檻に入れよう」「檻で何を守る?」「檻を壊されないために」と章立てして、ユーモアを交えて語り、二百九人の参加者は真剣に聞き入った。

 憲法は政治や国を考える上での基本であり、「ライオンが檻から出ないように監視するのが国民の役割。最近はもうライオンが檻から出ちゃっている状態が多いですね」と、楾さんはライオンのぬいぐるみと檻を使いながら憲法の仕組みをわかりやすく解説した。

 楾さんは「憲法とは政治のルールです。憲法を変える変えないという議論より前に、まずは憲法を知るべきでは、と思います。憲法を知ることで政治の良し悪しを判断することができるのです」と参加者に語りかけた。

 また、憲法を学校できちんと教えるべきだとも話し、「みんなが憲法を知って、選挙でしっかりと檻を壊さないライオンを選ぶ、そういう『不断の努力』をしていきましょう。知って、考えて、行動する、このサイクルが大切です」と締めくくった。(作田穂菜美)