ガザ地区でのイスラエルによるパレスチナ人への虐殺行為に対して抗議の意思を示そうと、市民有志が集まり二十三日、JR旭川駅前広場でスタンディングデモを行った。

 スタンディングは、普通の市民が無差別に殺されていくことに強いメッセージを打ち出せない日本政府や欧米に対して、「地方都市から抗議の声を発信することにこそ意義がある」との趣旨で行われ、四十人ほどが参加した。

 スピーチやシュプレヒコールなどは行わず、基本は静かにプラカードを掲げるスタイル。控えめに楽器をかき鳴らす人、ダンスを踊る人、ベンチに座る人などもいて、それぞれのスタイルで平和的に意思表示をし、大きなトラブルもなく約一時間半のスタンディングを終えた。

 台湾在住の楠本和さん(25)は一時帰国の合間に参加。現在の状況に対し、「とても悲惨だと思います。イスラエルにも防衛の権利があるとはいえ、そこに住む人々の生活を破壊するレベルで、ジェノサイド以外の何物でもない」と思いを語った。台湾では、大戦中の日本人による人権侵害の記録を残す運動もさかんだという。

 呼びかけ人の一人である宮坂舞花さん(25)は、デモはそこにいるだけでも立派な意思表示になると話す。「社会運動のハードルを下げたいと思っています。デモをする大人の姿を子どもたちの記憶に残すことも大切。今日はいろんな世代、いろんな属性の人が集まり、ゆるりといられる空間になりました。デモは特定の人が変なことをやっているイメージが強いと思いますが、こんな形もありだということを示していきたい」と、今後の活動に向けて意欲を見せた。(岡本成史)