「戦時中、子どもたちの戦意高揚を図るため、国民学校では習字の手本のように、絵を真似て描かせたようです」と、毎年八月十五日発行している、戦争体験者の証言集『平和への伝言』編集長の坂井勝さん(79)は、手にしている絵について語る。

 この絵の裏面には、山形県鶴岡市内の国民学校五年生の斎藤亨さんの名がある。当時十一歳か十二歳の頃と思われる『伝言』を編集する、「あさひかわ西地域九条の会」の会員の親戚に当たる人とのこと。茶色の画用紙にクレヨンで描いた絵のほとんどは、日の丸や戦闘機、軍艦が描かれている。

 坂井さんは「『伝言』で証言された人の中にも、『学校で描かされた記憶がある』と話していた人がおりましたので、道内にも残っていることが考えられます。『伝言』で、子どもたちが描かされた戦争絵の特集を組みたいと考えているので、もし持っている人がおりましたら、是非、ご連絡を下さればありがたい」と呼びかけている。

 『伝言』は、二〇〇六年から編集を開始し、二三年まで十五集発行してきた。多くの貴重な証言が掲載されている。

 坂井さんへの連絡はTEL 27―6007へ。(佐久間和久)