東神楽町(山本進町長)の複合施設「はなのわ」(南一ノ西一)が完成し、八月三十日、同施設前のフラワーガーデンで、グランドオープンセレモニーが開かれた。
同施設は、同町出身の世界的な建築家・藤本壮介さんが設計。役場や図書館、診療所など公共機能が集まる複合施設で、二〇二一年六月から建設を進めていた。
今年三月に建物部分が完成し供用をスタート。五月に敷地内への植樹、六月には町内外のボランティアによるフラワーガーデンへの植栽が行われ、外構を含めた一連の整備が終了した。
複合施設の愛称「はなのわ」と、文化ホールの愛称「花音(かのん)」は、今年一月、町民への公募によって決定。はなのわのロゴタイプとマークは、東京2020五輪・パラリンピックのスポーツピクトグラム(絵文字)などを手がけたグラフィックデザイナー・廣村正彰さんがデザインした。施設全体が樹木で円形に囲われ、各施設を結ぶ回廊にはカラフルな照明が設置されており、マークをカラーで示すなど、設計に合うイメージで構成されている。
フラワーガーデン
「新たなランドマークに」
セレモニーの冒頭、山本町長や設計者の藤本さん、ガーデンの整備を手がけた上野ファーム(市内永山町十六)のオーナーガーデナー・上野砂由紀さんらがテープカット。出席者は上野さんの説明を聞きながらガーデン内を散策した。
その後、文化ホールに場所を移して、山本町長が「役場庁舎に加え、診療所、文化ホール、バスセンター、防災拠点などを集約した東神楽町の未来を象徴する建物。現代的なデザインと、最先端のデジタル技術を活用した設備を備え、効率的で迅速な行政サービスが提供できるよう設計されている。この施設を舞台に、今後も町民の声に耳を傾け、より良い町政を築きながら、町民一人ひとりの生活の質を向上させ、誰もが安心して暮らせる幸せなまちづくりを目指していきたい」とあいさつした。
オープンを記念して行われた講演では、上野さんが「約二百種、二万四千株の宿根草を中心としたこのガーデンは、開花期で配置を考え、いつも花が咲いているようにデザインしています。この間、下校中の小学生が植物の間を縫うように歩いたり、走り回ったりしているのを見て、とても良い風景だと思った。『地元には花がたくさん咲いていた』という素晴らしい記憶を子どもたちに残すことができたら」。
藤本さんが「施設のあり方を考えた時、木々の向こうに建物があり、その周りに芝生が広がり、そこに花も加わることで東神楽町らしいものになると考えました。庁舎の一部や図書館などの古い建物を残しながら、新しい建物、大きさの異なる建物が並ぶため、全体的に統一感が出るように樹木のグリーンでまとめています。数十年後、この場所がどのように地元の人に愛され、自然が育ち、豊かな場所になっているかを一緒に見ていきたい」と語った。(東寛樹)