「『障害児』の高校進学を実現する全国交流集会in旭川」が五、六日の両日、市民活動交流センター・ココデ(宮前一ノ三)など三会場で行われる。同実行委員会(佐藤祐委員長)の主催。この集会は二年に一回開催されており、北海道では初の開催となる。集会をサポートするボランティアも含め、約三百人が参加する予定。
「どんな障がいがあっても、すべての子どもが、その子の希望する地域の高校で学べるよう、インクルーシブ教育をどのように実現していくか」を、全国から集まった参加者と、議論を深めるのが目的。
五日は、一木玲子さん(東洋大学客員研究員)をコーディネーターとし、「北海道の取り組みから高校問題を再考する」をテーマに、四組の当事者や保護者、高校生が発表。続いて、重度の知的障がいがある自閉症のカズキさんと、ともに三年間の中学校生活を送った、かつてのクラスメイトと曽我部昌弘担任の先生のディスカッション。
六日は、「地元の高校へ行こう」など四つのテーマで分科会を開き、議論を深める。
主催者の一人、障害児も地域の普通学級へ・道北ネットの代表・平田永さんは「市民にインクルーシブ教育への理解とその機運が図られ、障がいを切り口に、現在の学校
教育を、当事の子どもたちが願う『未来の教育の姿』を建設的対話を通して、教育行政に提言したい」と旭川で開催する意義を語る。
この集会への参加は申し込み期限を過ぎていることから、直接の参加は難しいが、道北ネット事務局長の平田江津子さんは「障がい者の高校受験は定員を満たしていなくても、不合格になっているのが現実。ココデには、インクルーシブ教育について、詳しく解説したパネル展示やテレビ報道の録画放映なども行っています。できるだけ多くの市民に来場していただき、参加者とも、お話をしていただく機会をつくってほしいと思います」と話している。
あさひかわ新聞に好評連載1冊の本に
『カズキはクラスの太陽だ!』
会場では、平田江津子さんが息子・カズキさんの日常生活や学校生活のことを、あさひかわ新聞に八年間余、連載したコラム「みんないっしょがいい~全ての子どもが地域の学校に~」が一冊になった『カズキはクラスの太陽だ!』=写真=が、旭川の出版社・ミツイパブリッシングで刊行し、全国発売に先駆けて発売する。
小国喜弘さん(東京大学大学院教授、同バリアフリー教育開発研究センター・副センター長)は、この本について、「普通学級で同世代の子どもたちと毎日を過ごし、自閉症のカズキさんの表情は明るく変わっていった。担任の先生、支援員、生徒たちと手探りで始めたフルインクルーシブ・スタイルは、発見と感動の連続だった」と解説に書き、映画「みんなの学校」の舞台となった大阪市立大空小学校の初代校長の木村泰子さんも推薦している。
四六判並製。百九十二㌻。定価千九百八十円(税込み)。(佐久間和久)