三浦綾子記念文化財団が全国の小中高生を対象に作文を募集する「三浦綾子作文賞」の最終選考作品が、六日発表された。
同賞は、三浦綾子文学が多くの人に親しまれることや、書くことを通じて生徒の生きる力を養うことなどを目的に一九九九年度に創設され、今年で二十六回目。七月一日から十月三十一日まで作品を募集し、道内外から自由作文部門百三十七編、読書感想文部門百四十五編の応募があった。
各部門ごとの最優秀賞と優秀賞に加えて、上富良野町長賞、和寒町長賞、旭川市長賞が選ばれる。今年は両部門で優秀賞が二作品ずつ選ばれ、計九作品が受賞作に選ばれた。
自由作文部門では、松橋結花さん(S高等学校一年)の「星に少なし、月には暗し」(物語)、課題図書部門では、郷瑛太さん(立命館慶祥高校三年)の「実話であること」(『塩狩峠』感想文)が、それぞれ最優秀賞に選ばれた。
選考委員長を務めた大橋賢一・道教大旭川校教授は、「生徒たちは意外に物語に挑戦してくる。例年、途切れることがないので、物語を書くのが好きなのだなぁと。年々完成度も上がってきている。また、時勢に関係しているのか、戦争に関連した作文が目立った。点数が拮抗して、全体的に力作が多かった」などと寸評を述べた。
年明けの一月十一日(土)に、三浦綾子記念文学館(神楽七ノ八)で同賞の表彰式が行われる。(岡本成史)